◆―おまけ―◇




お墓参りの後、私と龍は旅館の部屋に戻った。



「そういえば……。」


龍がいきなり口を開く。




「レイ、どうしたんだ?」


一瞬、麗のことかと思ったが、すぐに猫のことだと分かった。



「留守番してんのか?」


『いや、連れてきた。』


「………は?」




龍は唖然とする。


私は旅行に持ってきたカバンのチャックをジーッと開けた。



すると、



「ミー。」


レイが顔を出した。




「マジで連れてきたのか。」


『子猫だし、運びやすいし。』


「……そういう問題かよ。」



龍はハァーッとため息を吐く。


『まあ良いじゃん。』



私がにっこり笑って言うと、龍は苦笑した。




「ったく、かなわねーな。」







ただ、静かな夜だった。







*fin*