「昔話?」 『うんー…。 ーー…むかし、むかし、あるところに独りぼっちの子供がいました。』 ******** ーーーいつも、独りだった。 『………はぁ。』 小学三年生で、ため息がクセだった。 その頃はもう大学を卒業していて、 先生や周りの大人はムダに優しい。 でも同年代の子供からは 「鈴ちゃんズルい。」 「いっつもアイツだけいい目をみてるよね。」 なんて言われてた。 でも、慣れてた。 大学でも浮いてたから。