妖精の、のり姉への告白宣言を聞いてからしばらく経った。


やっぱり行動に移すには時間がかかるようで、今は何も進展は無い。
妖精に『ありがとう』なんて言われたけど、何か複雑な気分。


「おい、そこの変態」


…変態?


「変態はお前やろ。クソ兄貴。何勝手に人の部屋入ってきとんねん」


兄貴はドアの隙間から顔を覗かせている。


「まだ入ってません~空中はセーフです~」


そう言って足をプラプラさせる。


「…小学生か」


私はため息をついてドアを閉めようとした。


「ちょー待てって!テストどやってん?」


ドアに顔を挟まれ、顔が潰れても兄貴はまだ喋り続ける。
…テスト。そんなのあったな。全然記憶に無い。


「お兄様は天才やからな!!」


「百点なん?」


「おう!!でも名前書くん忘れた!!」



………アホやん。