あの猟師が言っていた『山奥にある地下水』とはどの辺りにあるのだろうか。

勢いで探索に来たものの、他所者である秀一には場所が特定できなかった。

鬱蒼とした山中、そして夜という事もある。

しっかりと猟銃を握り締め、慎重に歩を進めていく。

その時だった。

「いっ…いやぁあぁぁあぁぁっ!」

突然聞こえてきた女の悲鳴。

割と近い位置からだ。

反射的に秀一は走り始める。

ゾンビに女性が襲われているのだろうか。

もしかしたら生き残った仲間の誰かか?

そう考えるといても立ってもいられない。

猟銃をすぐに発射できる状態にして、向かった先には。

「!」

拓けたスペースがあり、そこに苔むした古井戸があった。

悲鳴はそこから聞こえたようだった。