走る。

走る、走る、走る!

心臓が張り裂けんばかりの全力疾走で秀一は走った。

追って来るのは、緩慢な摺り足のゾンビの群れ。

歩きにくい砂利道という事もあり、秀一との差は開く一方だ。

十分に距離を開いた所で、秀一は素早く近くの木陰に身を隠す。

息を殺してゾンビ達をやり過ごそうとする秀一。

彼の目論見通り、知能の低いゾンビ達は秀一を発見する事が出来ずに、そのままズルズルと足を引き摺ってどこかへと去ってしまった。