「美雨?どした?」
そう問い掛けても当然、返事はなく……。
「あ、美雨?この人達な、俺の大学の時の同級生で親友の神代裕介(カミシロ ユウスケ)と、その奥さんの優香」
「あなたが美雨ちゃん?初めまして優香です」
「初めまして、神代裕介です」
裕介も優香も笑顔で挨拶してくれたけど、美雨は無表情のまま頭を下げることなく前を向いたままだった。
どうして美雨が部屋の戸を開けたのかわからず……。
「トイレか?」
なんて、適当に聞いてみたけど違うか……と、思ったら美雨はコクリと頷いた。
トイレだったのか……。
美雨はダイニング横の少し奥まったとこにあるトイレに行くと、バタンとドアを閉めた。