ベイグは、城塞システム上でザカーエッジの1連の攻撃をサポートしながら、他艦船の動きを慎重に把握していた。

 何かがおかしい。

 旗艦であるザカーエッジがプラント艦撃破の為の最終フェーズに入った辺りから、妙な違和感を感じていた。

 ザカーエッジが小惑星帯に突入を開始した現在、こちらの戦力は航宙母艦〈ファイフウ〉、主力巡洋艦〈カルゼル〉3隻はほぼ無傷で健在。ファイフウ艦載機は7割、有人機に至っては9割健在だった。

 対して敵防衛艦隊は巡洋艦3隻、駆逐艦4隻、航宙母艦1隻が健在。航宙母艦艦載機は5割、有人機も7割となっていた。

 ザカーエッジがプラント艦に向かって突撃を開始してからは、各艦は後方から敵艦に追撃させないよう、防戦に徹していた。

 城塞システムは順調に作用していた。

 特に防戦に関しては、鉄壁を誇る。

 だが、ベイグは拭いきれない違和感を確認する為に、ジナスの艦橋にいるスラッドに声を掛けた。