立波中学校。

丘の上に位置し、海を眺めることができる。

屋上からの景色はとてもいいらしいが一般生徒は入れない。

校則は厳しくないがゆるくない。

昔地震で崩れたらしく、校舎はきれいだ。

そのくらいかな。

いわゆる普通の公立中学校だ。

「むぅ、生徒がたくさんいるぜ!」

「人多い・・・。」

「え、そうかな?」

「おおおおお!すっげ綺麗!虫とかいない!」

「・・・石油ストーブが見当たらない・・・死ぬの?」

「・・・ちょっと、火奈ちゃん、目立ってるから静かに、ね?」

立波中はふたつの小学校からの卒業生が入ってくる。
入学当時は半分は知らない人だったから、すごく緊張したなぁ。

でも一年たって、それなりに慣れた。みんなだっておんなじだ。

一応今日から始業式だけどクラスはすでに発表済みだし(七瀬は私しか見当たらなかったはずだけど)、
そろそろ「非日常」を求めだす。


そこにきてこれだよね。

クラスメイトが実は三つ子。うん、面白がるだろうな。

辛いなぁ。

注目されるのは好きじゃない。

やっぱり、怖い。

なんで本人たちより私が緊張してるんだろう。

注目を集めながら、そう思った。