私の家は神社。おばあちゃんが神主。おじいちゃんはいない。
お母さんと私とおばあちゃんでなんとかしてる。
お父さんは…。修行に行ったきり行方不明。

おばあちゃんがくせ者(泣)

「ただいま…。」とひっそりと入る。
「お帰りなさい。どうしたのさゆり?」
挙動不審な私を不思議な顔で見ている母。

「おばあちゃんは?」

ドタドタ!

うっ、ままずい。

「さゆりー!!妖気を感じる…。もののけ臭いぞ。」

「えぇー?」

「こっちに来なさいー!」

「わぁー。」

ずるずると廊下を引きずり祈祷場に連れて行かれる…が突然止まり手を放した。

「いったぁーい!」

「もののけ臭いのがなくなったか?」

「ついてなかったんだよ!!」

痛みをこらえて逃げ出した。

「あっ、まて!さゆり。」

何がついてるだ!帰って来るなりいつもこう。
もう知らない!

部屋に立てこもるが腹の虫には勝てなかった。

「さゆり~。ご飯よ。」
仕方なく居間に降りていく。