ケータイ小説 野いちご

緑の君~月下の森~Ⅰ

登場人物(月下の森)
雨道

「前田先生ー。」
ノックを繰り返すも返事なし。部屋にも部室にもいない。頼まれた花時計の写真は明日届けよう。いつの間にか外は雨が降っていた。
放課後、誰もいない教室に置き傘を取りに行くと…。緑の君が…寝ている。
起こさないように傘を静かに取る。出ようとしてつい寝顔を見てしまう。
教室には誰もいない、すやすや寝ている。寝顔にちょっとドキンとなる。風邪ひくよなぁ…。起こすのがやっぱりいいのかな。
「桜田君…。桜田君!…。緑の君!!」
緑の君は目を開けた、目も綺麗で吸い込まれそう。一瞬ドキッとした。
エメラルドのような目に見える。

いきなり抱きつかれ重力に勝てず倒れこむ。
雨の音が聞こえて吐息が耳にかかる…。見るとすーすーイビキをかいている。

ピキンとさゆりは切れ
「この!起きろー!緑の君!」
寝ぼけながら抱きつくなぁー。

「さゆり?」
相変わらずぼーとしている。
「もう下校時刻過ぎました。」
「ありがとう。」
素直に言われ、顔が赤くなる。
「それじゃ。」
手を捕まれ
「送って行く…。」

緑の君は傘がなかった。

顔がまた赤くなる。どうしよう。迷っているとグイっと傘を持って…。そのまま、無言で帰って…。心臓の音が雨の音と混じって…。下を向いていたら私の家に着いたけど鳥居の下で止まる。

「私の家神社なんだ。傘持ってくるね。」
玄関から傘を持ってくると緑の君の姿はなくて…。置き傘がただポツンとあった。

「帰ってちゃった…。風邪とかひかないといいけど。」
濡れたあの髪はどんな風になってるのかな、きっと綺麗に…。て私何考えてるの!
おばあちゃんにばれたら何されるか…。考えただけで怖い。

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