(あ、また目が合った……。) 心の中で私は小さく呟いた。 彼と目が合うのは、 今日でもう3回目。 この春。 高校に入学して、同じクラスになった男の子…大塚 陸君。 私…神崎 澪は、 その大塚君の一つ後ろの席。 なぜか私は大塚くんとよく目が合う……。 目が合うだけで、話したことはまだ一度もない。