【王子】



姫が引っ越したのは夏休みに入った日だった。



手伝いに行き、初めて会った姫の父親…。



メガネをかけてて、歳は40くらいだと思う。



水色と白のストライプのシャツが爽やかさをより引き立ててた。



見た目『デキる男』って感じ。



『初めまして、姫の彼氏です』

『そうかい。これからも姫をよろしくね』



笑顔でよろしくされたけど。



娘ってカワイイから彼氏がいたらムカつくんじゃねぇの?



平然としてたけど。



前に姫が自分には無関心だと言ってた意味がわかった気がした。



「暑いです、王子君…」

「ん?ならエアコンの温度下げたらいいじゃん」

「離れたらいいと思います!!」



相変わらず敬語の姫。



今は姫の部屋でベタ~ッとくっついてるわけで。



最高に幸せ…。



「何回敬語使ったかな?どんだけキスすりゃいい?」

「さ、最近の王子君…」

「ん?」

「意地悪です…」



ぬはっ!!



今日もパーフェクトなカワイさっ!!