「やっぱり彼女は許しちゃくれなかったのよ…」

「だから止めようって言ったのに…」

「もう遅い。全てが遅いんだ」

アタシを抜かしたクラスメート全員が、夜の屋上に集まっていた。

彼等の頭の中に浮かぶのは、二ヶ月までの出来事。

その時も夜で、屋上にクラスの全員が集まっていた。

そう―篠原紅海も。

だが様子はおかしかった。

篠原紅海以外、全員が嫌な笑みを浮かべている。

追い詰められた彼女は、手摺の向こうへ追いやられた。

必死に手摺につかまるも、クラスメート達は手摺越しに彼女の体を押す。

何度も手を離しかけては、慌ててつかみ直す彼女の様子を、全員が楽しそうに見ていた。