「刈宮(かりみや)美湖(よしこ)です。これからよろしくお願いします」

ざわざわ…

クラス中がざわめく。

まあ転校生なんて珍しいし、こういう反応は想定内。

けど…何でみんなして、アタシの顔を見て、変な顔をするかなぁ?

まあ中学3年生で転校してくるなんて、よっぽどの理由があるんだろうって思われているんだろうな。

「静かに! それじゃあ刈宮はあの空いている席に」

「はい」

若い担任の男性も、何だか様子がおかしい。

アタシと目を合わせないようにしているのが分かる。

けれど気にせず、アタシは言われた通り、窓際の一番後ろの席に座った。

するとざわめきはよりいっそう大きくなる。

「静かにしないか! 授業を始めるぞ!」