【美穂サイド】



なにがどうなったかなんて、全然わからなくって。


会長が力強く引っ張る私の腕を、ただひたすら追い掛けてました。




会長の心情も、表情を、行動も、私の頭では到底理解できないけど。


それでも触れる力強い手のひらは嫌なものではなく、心地よいものだと思ったのです。




『会長…。』



止まった足に、止まった会話。



珍しく下を向いた会長を見れなくて、私も下を向く。


なんだか重なりあった視線は、動揺したみたいに揺れてるようでした。