【勇輝サイド】



「これは何かの間違いだ!」

『……。』



そう言いながら、隣でバタバタしている美穂を、白々しい目で見つめる俺。


その独り言とは言えない独り言は、限りなく俺の読書(マンガ)の邪魔。


そのうるさい口を塞いでしまいたくなる。




「…2、3…。」



美穂の片手にあるのはテストの答案。


…多分、点数を認めたくなくて、必死に先生の数え間違えを探しているのだろう。