「あのー、会長…」

『……。』

「教科書、見せていただけませんか??」

『……。』

「次の時間だけでいいんです、教科書忘れちゃって…

一生のお願いです!」




いとも簡単に一生のお願いを使う美穂の言葉を、聞こえないフリをして聞きながす俺。




俺に話しかけんな条例を出してから、早一週間。



美穂は毎日のように、教科書を忘れてくる。



ここまで来ると、意図的にやってんのかってぐらい。




だけど、美穂にはそんな器用なことはできないような気もする。