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「沖田さんー、入りますよー」


スーと沖田さんが休んでいる部屋の障子を開ける。

斎藤さんは仕事があるから、と私をここまで案内してどこかにいって、

私一人、沖田さんのもとにやって来た。



「ああ、菅野さん」


沖田さんはこちらに背を向けて布団の上に座っていて、振り返って私を見ると、安堵したように微笑んだ。


「寝てないでいいんですか?」



部屋に入って布団の隣に座り込む。



「だってもう大丈夫なんですもん」


私の方を向き直りながら沖田さんは退屈そうに顔を歪める。


「駄目ですよ。悪化したらどうするんですか」