ケータイ小説 野いちご

月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる

鳥海親子

翌日。

あたしたち2人はN県警捜査一課の会議室で北島警視と向かい合った。

「鳥海広義が多額の生命保険に加入していた事が判明しました」

北島警視はそう話を切り出した。

「保険に加入したのは去年の10月で、その金額は500万円。受取人は息子の哲夫です」

「保険金殺人の可能性も浮かんできたってことですか?」

「そのため息子夫婦の周辺を洗ってみたのですが…」

北島警視は捜査資料のファイルをめくった。

「鳥海親子の関係は極めて良好だったようです」

幾つかの証言によると、鳥海広義の妻が健在だったころから、とても仲の良い一家だったそうだ。

嫁姑の問題も無く店も上手く切り盛りしていた。

「問題と言えば息子夫婦に子供がいないってことぐらいでして」

広義が寝たきりになってからも、それはそれはかいがいしく世話をしていたそうだ。

そして広義が生命保険に加入したのは、周囲の勧めではなく、本人の意志によるものだった。


< 24/ 82 >