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雪花-YUKIBANA-

第二章
パーティ


けっきょく
家路についたのは朝の4時半だった。


かろうじて空が白み始める前に帰れて、よかった。


玄関の前までたどりついたとき、
無意識にほっと息をついていることに僕は気づく。


外で色々あればあるほど家が恋しくなるなんて、最近初めて知った。



玄関の鍵を開け、なるべく音を立てないようにそろりと入る。


二階で眠っている桜子を起こさないように、
そっと――


「あ、おかえりー」


居間から声がして、続いてひょこっと顔が現れた。


「桜子……起きてたの?」

「うん。遅かったねえ」


大きめのスウェットの裾を引きずりながら、桜子が玄関まで駆けつけてくる。

その姿は無邪気な子供といった感じだ。

さっきまで街で見ていた光景とのあまりのギャップに、僕は少し戸惑った。



「飲みに行ってたの?」

「あ、うん。店のスタッフの……ほら、コバって奴がいるっていっただろ?
あいつと居酒屋行ってたんだ、ふたりで」


あれ?


言ったあとで、自分のとっさの嘘に気づく。


“ふたりで”って……。


「そっかあ。それで遅かったんだね」

「う、うん。……桜子はやけに早起きだな」


違うよ、と桜子は笑顔を見せた。


「早起きじゃなくて、ずっと起きてたの」

「え?なんで?」

「そんなの決ってるでしょ。拓人を待ってたのよ」

「……」

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