子守唄にも劣る授業を聞きながら、森とビルで窮屈そうな窓の向こうに広がる空を見ていた。

「おい、篠原聴いてるのか?」

 頭が禿げ上がった数学教師があたしを呼んだ。

「…はい」

「この定理はでるからな、ちゃんと覚えておけよ」

 そういい指差す黒板には暗号が描かれていた。地味なお説教を垂れ流し続け、満足した頃チャイムがなった。

 休み時間にヤツが来た。