やっと、ふたりだけの落ち着いた生活が帰って来た。

直樹が荷物を全部引き払ってくれて、やっと元の我が家。

 「幸せになれよ。」

直樹の手がわたしの髪の毛をグチャグチャにする。

 「コラー!! バカ直樹!!!!」

最後までお節介でおじゃま虫の直樹。

先生も呆れている。


直樹を見送ったら急に家の中が広く感じて。


静まった部屋をぐるっと見渡す。


後ろからギュッと先生に抱きしめられる。

 「今日から、よろしくな。」

 「うん。」

 「けっこう俺って我がままだからな。」

 「知ってる。」

 「それ以上にだよ。」

サラッと言ってしまう先生になんかね笑えたんだ。

でもね。

笑っていられたのは今だけで・・・。