夏下旬。



空はオレンジ色から紺色に変わっていく。

祭りに向かう人達にも何度も擦れ違って。






「あれ?龍まだなんかな?」






待ち合わせ場所には、龍らしき人物が居なくて。

仕方なく鳥居に持たれ、巾着袋から鏡を出して最終チェックをしといた。





紫織に造って貰った、白い生地にピンクの華の浴衣。

明るい髪もアップにして、同じくピンクの華のコサージュも一つ。



うん、なかなか可愛いっす。

てか似合うんかな?




あー、あかん緊張してきた。

今まで緊張なんてなかったのに。







空にはいつの間にか星達が現れる。

それはまるで応援してくれてるみたいで。









「ゆいさんっ、お待たせっす!!!」









きっとまた、私に力をくれる。








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