「では、神崎さん。橘の犯行について何か、他にされたことはありますか?」


刑事さんの問いかけに、フルフルと顔を横に振る。


もう全部、言いたいことは伝えた。



まだまだ暑い夏の日の午後。



「そうですか……」


あたしの様子を見て、刑事さんがフッと微笑む。


「また何かあったら、呼んで下さいね。では、お大事に」


ペコッと頭を下げて、病室内を出て行く刑事さんに、あたしも頭を下げた。




ここは、この前まで入院していた病院。


そして、あたしは……またまた入院しているのです。



これは、あの倉庫にいたため、脱水と熱中症、疲労から熱を出して……お医者さんから、念のため入院を言い渡されてしまいました。



誘拐されていたのは、1日ほど。



でも、それまでに……心身の疲労もあったで。



呪詛を主に返すとかいう大技をしたもので……余計に疲れてしまったんだ。




事件解決後から、丸3日間寝込み、ようやくこの頃ベッドに起きていられるようになったの。