橘くん。


あなた、わかってないよ。




呪詛かけたんだよね、陸に。




呪詛ってね?


かけるのは、大体みんなできるんだよ。


ちゃんとした手順を踏めばね。


素人でも、できることはできる。






でも。


あなた、知らないんだね。




呪詛って、相手も苦しむけど……自分も苦しむんだよ?



かけた分、自分にも返ってくる。





昔々。


平安時代。


陰陽師が今の省庁のような場所で、絶大な力を誇っていた頃。




呪詛は、日常茶飯事だった。




呪詛をやる理由の多くは、恨みごと。




他の女に好きな男性に盗られたからとか。



自分の出世に邪魔だから、存在を消すとか。


そんなことで使われていたの。