「ゆずちゃんに、聞きたいことがあったんだ」


サキの姿が見えなくなると、要が口を開いた。


「あたしに?」


「うん。どうしても気になって―――どっかの店で飲みながら聞こうと思ってたんだけど―――今日は、早く帰った方がいいよね」


要がゆずの頬に目をやる。


ゆずの頬は、冷やしていたおかげか少し腫れは引いていたが、まだ赤味が残っていた。


「これですか?別に、あたしは大丈夫だけど―――。あ、それならうちに来ますか?」


「え―――ゆずちゃんのうち?」


「はい。タクシーだと、ここから10分くらいで着きますよ」


そう言って、ゆずは微笑んだ・・・・・。