「なんだよ、お前ゆずちゃんにマジで惚れちゃったの?」


要の言葉に、久しぶりに会ったタケが目を丸くした。


「お前ならいいかなとは思ってたけど、マジでそうなるとは・・・・・・」


「―――マジマジと見ないでくださいよ。これでも、いろいろ葛藤があったんすから」


「だろうな。けど、彼女が単なるキャバ嬢とは違うってことはわかったってことだもんな。いいんじゃね?ゆずちゃんは本当にいい子だと思うし―――彼女の背景にあることも全部お前がわかってて彼女と付き合いたいと思ったんなら・・・・・」


「そう思いますか?―――タケさんは、ゆずちゃんがキャバ嬢になった理由、知ってるんですか?」


「いや―――前にも言ったけど、はっきりと聞いたことはねえよ。ただ、何か事情があるんだろうなとは思ってたけど。俺は、そういうの聞かないでいようと思ったから。でも、本気で付き合いたいと思ったら、そういうのも知りたいと思うもんだもんな」


そう言って、タケは穏やかに微笑んだ。