興奮が落ち着きを取り戻した頃、ようやくヒナを思い出す。
今頃寝とるんやろなぁ…と俺の思考は恐ろしいほど落ち着いていた。


黙っていればばれない…などと悟っているからなのかもしれない。
ヒナに悪いことをしてしまったという気持ちはある。
でも罪悪感に似た感情ではない。

俺は…とことん最低や…



苦笑すれば翡翠の柔らかな頬に触れる。

コイツとのふれあいもコレで最後。

そもそも触れるべきではなかったんだ。
互いに恋人持ちなのだから。


コイツが目を開けた時点で終わり。



…ヒナのためにも全部なかったことにするんや…