・・・ぐすん。

無我夢中で全力疾走でここまで来たけど。
全く知らないとこにきてしまった。

どこだ。この繁華街は。
なるべく明るい場所へきた結果がこれだよ。

とぼとぼと、当てもなく繁華街の隅の方へ向かうと

「やっと見つけたッスよ~」
「・・・やだ」
会ってしまった。今そんな気分じゃないのに・・・。
「なんも言ってないじゃないッスよ」
「嫌い」
そそくさとその場を離れようとすると、ぐいっと腕をつかまれた。
「・・・亜季先輩」
「離して!!」
顔を上げると陸の真剣な瞳と目が合ってしまった。
そ、そんな顔しないでよぅー・・・。

「本当にごめんなさい」

・・・・・・・~。
そんな顔で言われたら、許すしかないじゃん。

「・・・もうあんな事しないで」
「はいぃ~」
陸はさっきの真剣さから一変、すぐにあの無邪気な笑顔をみせた。
むぅ~。この笑顔は反則だぁー!
「先輩、まだ俺のこと嫌い・・・?」
大きな瞳をちょっとうるまして言う陸。
俺の事嫌い・・・??
・・・あ。
『陸なんて大っ嫌い!!』
・・・あちゃ~。
そういえば言っちゃったなあ。

「嫌いじゃあないよ!あたし、陸の事全然嫌いじゃないし!」
「じゃあ、俺のこと好き・・・??」
「うん!陸は最高の後輩だよ」
「・・・後輩ッスか・・・」
ちょっとしょぼんとなる陸。
なんかうまく伝わらなかったか?


こうしてあたし達は仲直りできました☆


「そういえば俺たち学校に荷物おきっぱなしッスよ・・・」
「あっっΣ・・・なんかやだなぁ」
「大丈夫ッス♪俺がいるッス!」