庭園を出たニルは人の目には映らない遥か上空から、ミラとイシュの楽しそうな姿を想像して、探していた。


商業区は人で溢れかえり、非常に賑わっている。


ミラが興味を持つものを大体把握している彼は、甘いものの店や、可愛らしいものを置いた店を中心に探したが、




見当たらない………。




カルナバル帝国の有名な美しい噴水広場も見るが、そこにもいない。


望めば知りたい事は勝手に頭の中に入ってくる、それでも自身で探してみたのに見つからない。



仕方なく印を探すと、どうやら暇潰しをしたのが間違いだったと気付く。



魔王ニルが自身だけでなく、世界に苛立ったのはひどく久しぶりの事だった。