「おいで、」



…………??



彼女が首を傾げると、ニルがスッと両手を伸ばしている所だった。



「裸足だったら怪我をする」



あ!




今更思い出して顔が熱くなって俯くと、くすっと笑われた。



「気にしなくていい、誰も何もいわないから」




ほら、早く。




急かされて少し気まずかったけれど。


ミラがゆっくり彼の腕に近付くと、脇の下に手を入れられてそのままふわりと抱き上げられる。



驚いてしがみつくと、



「落っことしたりしないよ」



ニルが優しく目を細めた。



居心地が悪くて視線をさ迷わせていると彼は、



行くよ。



と短く言い、飛ぶのだとわかってギュッと目を閉じた。