姫乃の両親と

対面してから、

一週間。



僕は自分の両親に

報告するため、

実家に来ていた。



久しぶりに

帰ったせいか、

両親共に、

機嫌がよかった。



しばらくはごくごく

普通の話が続いた。



食事も済ませ、

少し落ち着いたところで、

本題に入った。



最初は少し驚きながらも、

2人共嬉しそうに

聞いていた。



しかし、

姫乃のことを

話していくにつれ、

顔色が変わっていった。



「雅人、
お前の結婚したい
相手は、
高校生なのか。
しかも障害がある
なんて…」



父は愕然とした表情を

浮かべ、そう言ってきた。


父の横に座る母は、

頭を抱えながら

呟いた。



「やっと結婚かと思って
喜んだのに、
よりによって…」



この2人の反応は、

正直全く予想して

いなかった。



しかし、

そんな事で

気持ちがぶれるほど、

今の僕の心は

弱くはない。



「2人には悪いけど、
これはもう決めた事だ。
できれば賛同して
もらいたいけど、
無理にとはいわない。
自分の人生は、
自分で決めるものだから」



自分でも、

不思議なくらい

強気だった。


守るべきモノがある。

自分の目指す未来がある。


それがこんなにも、

人を強くするなんて…



「年齢のことは、
時が経てば解決する。
それは大した問題じゃない。
だが、
その子の足は…
お前はほんとうに
後悔しないのか?」



席を離れようとした

母を制して、

父はいった。



僕は深く頷き、

それに答えた。