この世に生を受け
柔らかくて
暖かな手で
私を抱いてくれた。

私は歩けずに
寝返りをうつだけ。

やっとハイハイが
出来た。

常に私の横にいて
ご飯を
食べさせてくれた。

コップの牛乳を
こぼしても
服を泥だけにしても
そんな姿でさえ
笑ってくれた。

口がヨダレだらけで
あなたの服が
私のヨダレが
ついても怒らず
私の口を拭き
笑ってくれた。

私が初めて
言葉を言った時
私の頭を
優しく一杯
撫でてくれた。

ムチムチした
足で
覚束なく
立ち上がった時
拍手してくれた。

そんな覚束ない足で
私が歩くと
あなたは
私の顔を見ながら
亀の様に
遅い歩調に合わせ
歩いてくれた。

服をひとりで
着替える時も
絵の具で絵を服を
汚しながら書けた時
そんな
たわいもない毎日を
日だまりの様な笑顔で
私を見てくれた。

私が
ダダをこねると
叱られた。

鳴きながら
ごめんなさいと言うと
笑顔で許してくれた。

どんなに憎まれ口を
言っても
あなたは私を必ず
許してくれた。

あなた以外の人を
困らせたり
迷惑をかけた時
ほっぺを涙ながらに
叩かれた。
ほっぺは
これっぽっちも
痛くないのに
胸が痛かった