以前の学校の制服であった夏用セーラー服からカッターシャツになった制服を纏い、まだ夏の匂いのする風を受け並木道を走る。
何回かお母さんと歩いたので、通学路になるこの道は頭に十分に入っていた。
私と同じ制服を着た子を横目に、走る、走る。

学校の入口となる正門を飾るイチョウがさわさわと揺れる。直に綺麗に色付き始めるのだろう。


この秋、私はいわゆる転校生としてこのイチョウの門をくぐることになった。