広いホールに、美しく輝くシャンデリア。

その光に反射するように 煌めく宝石を身に付けた、たくさんの貴族達。


「これが、舞踏会・・・・」

此処に居る全ての者が 踊っていた。
奏でられる音楽とともに ゆっくりと。

しかし ほとんどの女性達が、相手の男性に見向きもせず、ただ熱い視線を ある一点に向けていた。

「あれが、王子様・・・・」


それはまるで 全ての者を見惚れさすかのような、容貌。
以前 アリシャスが言っていたことと同じように、彼はとても美男であり、魅力的な者だった。