ここに全部置いていかなくちゃ……。


空港の入り口で足を止め、そう思った。


学校も辞めた。友達にも別れを告げてきた。

ミカとアイの泣き顔を思い出すと、また目が潤みそうになって、あたしは唇を噛みしめた。

ふと、この前まで彼氏だったナオキの顔が頭に浮かんできて、慌てて首を横に振る。

アイツだったら、北海道行きの話をしたら『さみしくなるなぁ』なんて言ってあたしの肩を抱き寄せて、制服の中に手を入れようとしたんだ。

あんなヤツ、本気で好きだなんて思ったこともないけど、一年も付き合ってたあたしもバカだ。