日曜の朝、浴室からシャワーの音が漏れ聞こえる。

今日も、いつものように隼太が来ていた。


「由那ちゃん、隼太君が出てきたら朝ごはん出してあげてちょうだい」


空になった湯吞を置いたサキさんが、テーブルに手を付きながらゆっくりと立ち上がる。


「もう部屋で休むの?」

「うん、ちょっと横になるわね」


サキさんはそう言って襖の向こうへ消えた。

近頃はこうやって、午前中のうちに布団で休むことが多くなったサキさん。
毎日欠かさなかった散歩も近頃はしない日の方が多い。

若く見えたって86歳という高齢なんだし、すっかり寒くなったこの気候のせいかもしれない。