「龍河くんはやく!お化け屋敷こっちだって!」

「お前は楽しそうだな。……まだ何一つ乗ってねーけど」

「はーやーく!」


今日の郁未はどうやらいつにも増してテンションが高いらしい。

お化け屋敷行く間に何度走って止まって歩く俺を待ったか。

走る意味ないのにな。


「ほら、見えてきた!」


そして……ミラクルが一つ。


ハイテンションの郁未が走る。

連られて俺も走る。


……は?

俺たちは一体、いつ手を繋いだんだ?


気付けば手を繋いでいたらしい。

ナチュラル過ぎて気付かなかった。


「行ってらっしゃいませ〜」


そして真っ暗な道へと放り出された。