「お?由衣も来たのかよ。あ?蓮は?」

「蓮は週番で……ちょっと遅れます」

「で、郁未」


ギクッ

……いや、びびっちゃいねーよ?

びびってねーからな?


「後ろの、なんだ?」


そう、俺は郁未の後ろに身を潜めていたりいなかったり……。


「ずっと話してたでしょ?」

「あ?あの小僧か」


小僧……!?


「山岡龍河くん」


ヒョイと俺が見えるくらい左にズレた郁未によって、俺の姿が木岐さんの目に映る。

それと共に、みんなに恐れられている木岐さんが俺の目に映る。


これが、木岐さん……。


彼はニヤリと笑って言った。


「ついに郁未を選んだか」