『……ん』




気づけば、窓から射し込むあたたかな光。



そして、黒を基調に整えられたシンプルな部屋。




私、どうしたんだっけ?



何だかいい夢を見てた気がする。




『今、何時なんだろ?』



「9時だ」



『そっか、寝坊しちゃったね……って誰!?』



「一晩で俺のこと忘れたのかよ……」




そう言ったのは、ドアにもたれ掛かる悠基。



……入ってきたの気づかなかったよ。



やっぱ族から離れると、危機感もなくなっちゃうのか。



でも今は銀姫なんだから、気を引き締めないとね。