♢


次の朝、
今までより早く起きて、青磁先生と縁側で朝ご飯を食べた。


「もうすぐ?」
「うん、もうすぐ」

私の問い掛けに、青磁先生は、優しい笑顔で答えてくれる。

でも、もうすぐ青磁先生は行ってしまう。


学校へーー


「オレが帰るまで、ちゃんとご飯は食べて、調子が良かったら、近くを散歩するといい。
何かいいものが見つかるかもしれないよ。
ただ無理はしない事」


「はい。青磁先生」


「夕方には帰って来るって、このダメ教師は」

庭の端の方で、洗濯物を干していた茜さんが、つっつくように、言った。


「羨ましいんだろ、茜姉。伽羅ちゃんとオレが仲良しで」

「なっ、バカじゃないの? 伽羅ちゃんはあんたと仲良しなんて思ってないわよ」