ごく普通の小学生だった。都内に住み、一人っ子で母方の祖父母と一緒に暮らしてした。

両親は共働きで、学校では群れたがるタイプではなく、少数派の地味キャラだった。

少女コミックの話で盛り上がったり、オリジナルのキャラを描いてみたり、兎に角、絵が大好きな子供だった。

クラスでも一緒に行動するのは2、3人。そんな風に目立たずに、小学5年生まで進んでいった。
この頃から無視や嫌がらせや悪口のようないじめが始まった。

教室の椅子がなかったり、眼鏡をとられたり、上履きを隠されたり…
毎日がそんな事の繰り返しだった。

ただ思ったのは、
『私が何をしたの?』と言う果てしのない疑問だった。
理由も解らず、いじめられ続け私は一冊の漫画と出会った。
[ももち麗子著/とびら]
それは自殺を題材にする漫画だった。その一冊と出会い、私はリストカットを覚えた。

毎日トイレで
カッターで
手首を切った。

11歳の頃だった。