「ここです」





“彼”の後について入ったお店は。

待ち合わせをした商店街から。

もう1本裏通りに入ったところにあった。





外観から和の感じが漂う。

雰囲気の落ち着いたお店だった。





同業のせいもあって。

いろいろ見たくなっちゃう。

外観だけじゃなくて、内装も和風。

細かいところも演出されていて。

ますます私好み。





このお店は。

テーブル席と個室に分かれてて。

私たちは個室へ案内された。





「…こういうお店、嫌いですか?」





“彼”が言った。





「や、キライどころか気に入っちゃいました」





こんなお店が近くにあったなんて。

通っちゃうよ、きっと。

…今度、沙保と来ようかな…。





なんて思ってたら。

また“彼”が口を開いた。