蓁宮椿姫サンが姿を見せなくなってから、一週間が経った。


それからと言うもの、別に何事もなく平和な毎日を過ごしている。


だけど……


「もう少しで修学旅行だねぇ~!」


隣で、最近流行りの歌をハミングしながらルンルンしている愛チャン。


「本当ねぇ。確か、沖縄だっけ?」


あーちゃんは、紅茶を一気に飲み干してから、口を開いた。


2人は、2週間後の修学旅行の話に花を咲かせている。


だけど、あたしはそんな気分になれなかった。


あたしの悩みの種。


それは、愛チャンのこと。


愛チャンがあの時、流したあの涙……。


思い出すたびに、あの時の光景がフラッシュバックされて、裏脳に焼き付いて忘れられない。


あたしはあの時、愛チャンはやっぱり楓が好きなんだと、確信した。


あーちゃんは「そんな気にすることじゃないんじゃない?」って言ってくれたけど……。


やっぱり、気になってしまう。