「おはよ〜」


「久しぶり〜元気だった?」


「色白いよね、皆」



新学期、登校した私達はキャーキャー言いながら久々の再会に感動していた。



今年はさすがに海なし・遊びなしの予備校漬けだったから


夏だと言うのに日焼けの跡といえば通学焼けぐらいで・・・



「あ〜来週からの実力テスト、憂鬱だ!」



菜々美の一言に現実へと引き戻された。



・・・忘れてた!



夏休み中の話にワイワイ言いながら、体育館に移動して校長先生の長い話を欠伸しながら聞き終わって


私達4人は教室へ向かって歩いていた。



「佐藤さん、これ落としてない?」



振り返ると、知らない子が声を掛けてくれていて、手には私のハンカチを持っていた。



さっき、汗を拭いた後スカートのポケットに入れたはずなのに。



ポケットに手を入れたけど、ハンカチは入っていなくて。



「あっごめんね。落としちゃったみたい」



ありがとうと言ってハンカチを受け取ると、その子はニッコリと笑ってくれた。