「では…これも頭につけましょう~」



 咲弥さんも不敵に笑い、私に動物園で買った…パンダ耳のカチューシャを渡す。


 犬は飼い主に似るかのように…執事も主に似ている。


 咲弥さんの毒を含んだ黒い笑いが怖い…。


 まだ…誰にも見せたこのない裸…。

 

 どうしよう~!!?いくら主だからって…そんなセクハラみたいな命令は聞けない。



 「…どうした?俺の命令が聞けないのか?お前」

 
 蓮さまの黒曜石の瞳が私の体を舐めるように見つめる。


 「聞けません…」

 此処で命令を聞いたら…永遠に私は…お嫁に行けない!!


 私は勇気を振り絞り…キッパリと返す。


 「はぁ??」

 蓮さま…怒りながら聞き返す。

 

 「冗談はそれくらいにしましょ~蓮さま」

 
 急に咲弥さんの態度の一変。


 私の体から一気に力が抜けた。


 
 さっきの黒笑いの咲弥さんは何?演技??