翌日、早速…私は引越しの準備。

 母には後で話をしようと思った。

 母と私には決して、損のない話。

 むしろ得な話だ。

 「……電気ガス…止められて…どういった感じで生活されていたのですか?美紗緒さん」

 「え、あ…」

 如月君はガッコ。

 咲弥さんが引越しのお手伝いに来てくれた。

 荷物なんてたかが知れている。

 「…帰って寝るだけだから…あまり電気は入りませんでした。ガスもカセット
ボンベで何とか頑張りました」

 「生活の知恵ですね」


 「そんなあ~」


 私は咲弥さんの言葉を謙遜した反応で返す。


 心の中では…咲弥さんの言葉に深く共感。


 私はこのどん底のビンボー生活で生活の知恵を身に付けたんだ…。

 
 生きていく為の術として…。



 私は箱に荷物を詰める。

 咲弥さんの用意した引越しっ屋は親子パンダのマークで有名な会社。


 パンダ好きにも程がある。私は少し呆れていた…。