相手を縛りつける事が面倒ならば、まして相手に縛られる事は好きじゃない。



恋愛に執心する人たちを、俺は一歩引いたトコロから冷めた目で見てただろう。



そう、これは過去の考え方であって、打って変わって現在の俺は・・・





「大和くん、おはよう」


「うん、おはよう」


リビングのカーテンの隙間から差す薄日が、今日の天候の良さを知らせる中。



トコトコと小さな身体で駆けて来る子に、自然と顔が綻んでしまう…。



「亜実ね、今日は自分で起きられたのー」


「亜実ちゃんはすごいなー、俺は真咲ちゃんに起こされた」


読んでいた英字新聞を折り畳みながら、ペロッと舌を出して苦笑すれば。



「えへへー、亜実の勝ち!」


「ハハッ、俺の負けー」


小さな天使、もとい義理の妹の亜実ちゃんがニッコリ笑顔を見せてくれた。