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「…ーだから、客には余興の花火だとでも伝えろ」


背後の豪邸内から聴こえた男の人の声に、
ドキッとした。


頭上の窓の近くから声がした。


どうやら、
私が潜む樹陰の背後にあるお屋敷内の廊下の隅で、
誰かが話してるみたいだった。


「まったく、こんな時に銃撃だなんて。なにやってんだ、紘夜のヤツは」


近づく声。



紘夜?
紘夜が、どうかしたの?



紘夜の名が聴こえ、

途端に不安になる。



鼓動が速くなり、


体中に響くようだった。