† ザザッーー 樹々の中を走り抜けながら、 俺は、 感覚を研ぎ澄ます。 そして、 後悔した。 実織をこの場に連れて来たことをーー 本来なら、 一昨日の雨の夜に、すべて片付けていたのだから、 もう、 実織を帰してもよかった。 いや、そうするべきだった。 だが、欲が出た。 綺麗な実織を連れ、 並んで歩きたいとーー。 そんな俺のせいで、 実織を危険にさらしてしまった。 俺のせいだーー